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なんだこの無駄に広い大地は

7/16。今日は月曜なのか。いつ起床といえばよいのか。何度も目が覚めている。これには訳があるのだ。

今、僕の周りは、隣と通路を挟んだ向こう側の2席に、父・兄・妹という構成の3人が座っている。どの席に誰が座るかは気分次第みたいなんだけど、昨日の夜は隣に女の子が座っていた。5歳くらいかなあ。よくわからない。そこまでは良いんだけど、この子はとても寝相が悪いのだ。困ったもんだ。夜中、足に何かぶつかって起きると、この子の足が僕の膝の上に乗っかっている。でも、僕の足は地面と並行ではないのでだんだんと滑り落ちてくる。そのたびに足が彷徨いつつ膝の上まで昇ってくる。おい!滑り台じゃないんだぞ!他にも寝返りでお腹をパンチされて起きる。おい!サンドバッグじゃな(ry。いやいや絵に描いたような典型的な寝相の悪さだね。

明け方びっくりしたのは、なんだか重たくて目が覚めると、いつの間にか僕のお腹を枕にして寝ていたこと。おまえは何をしているんだ。ずいぶんと気持ちよさそうに寝ているのでどかすわけにもいかず、仕方ないので、そのまま放置して僕もまた寝ることにした。ケツが痛い。そんなこんなで結局僕が活動できるようになったのは、彼女が目覚めた後になり8:00くらい。ああ疲れた。

その後トイレに行っている間にスナックバーが閉まったらしい。朝飯を食べ損ねた。ラウンジカーで気分をすっきりさせようとしても、お腹がへって力が出ないよ。気が付くとウトウトしている。僕は朝飯をったべないとダメなのだ。

席に戻って日記を書く。その場で書かないとね。今、隣にはお父さんが寝ている。元気?って聞かれたので元気だと答えたけど、そんなことはない。空腹と寒さで大変不快だぜ!

外は相変わらずの大草原だったり山だったり。牛や鹿がいたりもする。ここはサファリパークだね。

そうそう、今日で放浪開始から丸2週間になるのだ。早い。振り返ってみると移動の手配とか泊まる部屋の手配とかトラブル処理とか事務手続きが結構多かったなあと思ったりもするけど、観光に来たのではないのでそれも悪くない。と思いたい。放浪となると何を持って有意義な時間とするのか難しいけど、放浪の要領は掴んできたと思うので、後半戦も頑張ろう。

しばらくしてスナックバーが開いたのでターキーなんとかというサンドイッチとコーヒーを飲む。やっと体が温まったよ。コーヒーを飲んでたらまた昨日の人が来た。昨日はよく眠れた?とか聞いてくる。僕のすぐ後ろに座っているので、昨日の悲劇を知っているらしい。よく眠れなかったよというと笑っている。話している内に携帯の壁紙を昨日撮った写真に変えて欲しいと頼まれた。そうそう、昨日自分はプログラマだと言ったんだった。任せてくれ。何てったって僕は携帯を全く使いこなさない男だ。でも頑張るよ。

端末はモトローラのもので、キャリアはT-Mobileのようだ。しばらく弄っていると、要領がつかめてきた。メールの下書き(draft)に写真があって、それを壁紙にしたいようだが、この端末は下書きに添付してある写真から直接壁紙に設定することはできないようだ。もとの写真は消してしまったと言っている。いろいろ探している内に、元の写真を見つけて、そこから無事設定できた。とても感謝された。僕も嬉しい。直訳すると「やってくれて嬉しい。」みたいなことを言われたので、何か返したいんだけど、全く言葉が出てこない。悔しい。

そんなこんなでまた会話を頑張った。昨日よりは会話になっていたのは

  • 機械の操作に関わる話が多かったのでわかりやすい。英語のマニュアルとかFAQなどを読んでいるからだろうなあ。
  • 僕が上達したのではなくて、相手が慣れた。やっぱり言葉が通じない人との話し方ってあるな。WhatとかHowとか聞き逃しやすい文頭の単語を強調して話してくれたのでわかりやすかった。これを聞き逃すと何の話だかさっぱりになる。

ということだろうな。ネイティブ同士の会話を聞いていると、発音が流暢すぎて全然聞き取れない。それと、単純な単語なのに意味がわからないことも結構あって、こういうのは普段から英語の映画を見るとか、日常会話を聞き慣れていないとわかりそうにない。

そういえば、お互いに名前を聞いた。オフィリオさんって言ったかな?苗字は短かったんだけど覚えていない。ヤマダとかだったら覚えられるんだけどな。僕の名前はかなり覚えにくいらしい。まあそうだろう。下の名前は長いし、苗字は意味不明だもんな。まおえでいいよまおえで。

17:00頃デンバーに到着。ここで数時間の休憩があるそうだ。たくさんの人が降りていく。再び出発するのは20:25らしい。これだけあれば、ご飯を食べて、明日の朝飯の買い出しくらいはできそうだ。

デンバーは蒸し暑い。サンフランシスコもアムトラックの車内も寒いと感じるほどなので、まとわりつくような暑さはずいぶんと久しぶりな気がする。ひとまず駅に行ってみよう。中は広く、電車待ちの人がたくさんいる。みんな同じ電車に乗るのかな。構内アナウンスで、僕の乗ってきた電車は時刻通りに発車すると言っている。時刻表を見ると発車時刻は19:25。そうそう。25分ね。ってあれ?20時じゃなかったっけ?心配になりチケットカウンターで聞くことにする。並んでいる内に、近くをオフィリオさんが通る。彼女も僕に気が付き手招きをしている。

彼女のもとへいき時間を確かめる。やっぱり20:25らしい。

オフィリオさんは他に3人の女性とともに行動していた。見たところ皆アジア人。聞いてみると、2人は台北出身だそうだ。もう一人はよくわからない。僕が東京から来たというと「大都市だ!」って言ってた。そうなんですよ。

しばらく一緒にうろうろする。そう。僕はマダム4人に囲まれている。マダムキラーだね。マダムたちはそれぞれ中国語と英語を駆使して*1あそこに何があるだの、大きい街ねだの何だの言いながら街を闊歩している。僕はというと、次のチケット確保したいなあとか他のことを考えている。そのうち、バスターミナルに着いた。どうやらタダで街を一周できるバスらしい。タダと聞いたら血が騒ぐのがマダムというのは世界共通らしい。マダムたちはこれに乗るんだと息を巻いている。僕はというと、バス停のすぐ近くに位置するスターバックスを見つけて喜んでいた。

一人旅に慣れて集団行動より一人でうろつきたくなってしまった僕は、マダムたちと別れを告げ、PCをとりに駅に戻る。この街は規模としてはメンフィスと同じくらいかなという雰囲気がするなあ。

スタバは入り口にT-Mobileの文字がることを確認した。これなら確実に接続できる。小さいアイスカフェラテを頼んで早速つなげる。一通りメールチェックなどをして、さっそく空席情報を確認する。放浪ということでわざと無計画で行動している今回の旅で、唯一予定が決まっている日がある。この日までに移動できるチケットが取れないとまずいのだ。ネットで見る限り、まだ取れそうだ。ふと一日前の日程で調べてみると売り切れになっている。込んでいるみたいだ。早く取らないと。

スタバを早々に切り上げ、駅に向かう。駅ではデンバーから僕らの乗っている電車に乗り込む人たちで混み合っている。チケットカウンターで先ほど調べた日程の予約が取れるか聞いてみた。無いらしい。話によると、レイルパスで席を予約する場合は、普通の席とは別に席を確保するらしく、YAというタイプの席が空いているかどうかで、予約が取れるかどうか決まるらしい。僕の申告した日程ではYAの席はないそうなのだ。どうにかしていけないかと聞くと、メンフィスで突きつけられた例の電話番号を指して、ここに電話しろと言われた。この番号はチケットセンターに繋がる。チケットセンターはYAの空席状況をもう少し柔軟に変えることができるそうだ。「space control」と言っていた。

この番号は自動音声でさっぱり聞き取れなかったんだよなあ。と思いつつ掛けてみる。前回とは違って、慎重に全神経の90%くらいを左耳に集中させる。ちなみに、残りの10%はさっきから近くをうろついていて、隣の電話を使い始めたおじさんに向けている。この人怪しいぞ。

よーく聞いてみると、わかった。日本で一般的なプッシュホンによる応答形式ではなくて、なんと口頭によって応答して先に進んでいくタイプなのだ。たとえば、「いつのチケットですか?」と聞かれて、7月19日だったら、日本では「0719」と押していくのが普通*2だけど、そうではなくて「July 19th」と口で言う。「help」というと選択肢を少し詳しく説明してくれる。helpを駆使してある程度進んだとき、何かのエリアコードを聞かれた。さっぱりわからない。これがわからないと先に続かないよ。

あきらめてもう一度チケットカウンターに行ってみる。エリアコードとかよくわからないから、代わりに電話してくれないかと頼む。この係員は横にいたほかの係員と相談しはじめた。雲行きは怪しい。必死に泣き落としにかかろうとするもそんな能力はない。秘伝の顔芸が通用しない。当然か。

結局断られた。仕方なくもう一度電話する。今度はもっと慎重に聞く。すると、何処かの選択肢で、エージェントって言ってることに気が付く。これだ!やっと生身の人間に繋がる。

エージェントに繋いで待たされること5分。この電話の保留は音楽がながれるでもなく、時々アムトラックの宣伝が流れて、あとは無音。切れたんじゃないかと不安になる。

お、繋がった。今までの経緯を伝えたところ、ちょっと待っててと言われてまた無音。しばらくして、やっぱり席は用意できないと言われる。がーん。絶対にないの?と聞くと無いらしい。しつこいよ。他の手段はないかと聞いてみたら、お金を払えばこれに乗れると言われる。うーん。

どうしよう。

そうか。

そうなのか。

決めた。

ありがとうを言って電話を切り、再びチケットカウンターへ。やっぱり席がないことを伝え、レイルパスは使わない。お金払う。と伝えた。ここまで来て公開したくないもんね。席はあるらしい。今までの半券を見せろと言うので見せる。急に顔色が変わる。メンフィスからニューオーリンズへの半券を見て、嬉しそうにしている。ニューオーリンズが生まれ故郷らしい。なるほどね。とても言い街だったよと伝えると嬉しそう。2人で親指を立ててにんまり。

チケットは自分のクレジットカードで払った。口座にお金はどの程度入ってたっけ?まあ何とか取れて良かった。

そんなこんなで出発まであと30分くらいになってしまった。朝飯はしょうがないにしても、今日の晩飯は調達しないと。さっきスタバから駅までの間にデリがあったはず。あそこで買おう。

デリは要するにサブウェイみたいなものだった。サンドイッチがメイン。写真を見る限り野菜が一番多そうなサンドイッチを頼む。ドリンクとチップスが付いて$7くらい。スーパーが近くにあれば良かったんだけどな。ここのデリの兄ちゃんはイケメンだ。やんちゃになったベッカムみたいな雰囲気だ。どこから来たのなど定番の話をする。

サンドイッチと紅茶とポテチを持って電車に戻る。たくさんの人が乗り込んでくる。隣には子連れの夫婦の奥さんが座った。これなら今日はちゃんと眠れそうだ。

日が沈んできた。ラウンジカーで夕焼けを見ながら夕食を取る。紅茶のカップに刺さった、底まで届かないストローを見て、あーここはアメリカなんだなと思う。

ラウンジカーでは今日もいろんな人が話をしている。列車によって人の雰囲気が変わるけど、どの列車でもこうして見知らぬ人通しで話をはじめる。新幹線とは違うな。アメリカだから日本だからというよりは、そういう人たちが乗る電車ってことなのかもしれない。

*1:もちろん僕もオフィリオさんも中国語がわからない。

*2:宅配の再配送依頼とか